絹のとろみを指で知る

麻仕事と平行して、と言うより実は
ここんとこずっと、ほとんどの空き時間を費やしてしまっているのが

とろきぬ・絹たち

こちら、絹糸のみなさま。
これを巻き取ることに、
2ヶ月以上かかってしまっています(^^;)。

大下さんから託していただいた絹糸たち
撚りがかかっていない状態でして

とろきぬ・糸拡大2

”撚りがかかってない”とはいかなる状態なのか、
染めの作業を終えたあと、
ぱっと見では「このままでもつかえそう」などと思って

とろきぬ・織り布

ヨコ糸として、前回すこし織ってみました。
なんとか、織れましたけど、たいへんでした。

縒ってない状態の絹糸さんたちは、
わずかな摩擦でとろけるようにほぐれ、くっつき、
巻き取った竹管からスムーズに出てくれないのです。

とろきぬ・ふわふわ化

巻き取り作業しながらも、指や糸同士で触れ合うときの、
ほんのちょっとしたひっかかりで、
トロトロゆるみほぐれて、溶け合ってしまう・・・

こんなに、デリケートなものだとは。
そーっと、そーっと、扱わねば。

とろきぬ・撚るために1

縒り合せるべく、紙管2本にわけてとり

とろきぬ・撚る

チャルカでくるくる。

とろきぬ・撚り比較

そうしてやっと、キリッと糸に。
右の「撚ってない状態」に比べ
触っても安心な、とろけない糸になっています(^0^)!

とろきぬ・シャトル

この状態にして、織り糸として、ちゃんと使えるようにするために



とろきぬ・まきとりちう

まずは、紙管にまきとらねば、なのです。
これが難航中です。

はじめの束で、慎重さが足りず、
ひっかかり、滞り・・・
うっかり切ってしまって、糸はしを見失って、
そしたらもうどうしようもない状態に(;_;)。

一部を切って、
くぐらせながらほどいていって、
つないで巻き取っていくことの、
くりかえし、くりかえし。

もう大反省です。
でも
ぜったいぜんぶ巻き取るのです。
大下さんから託された、大切な糸ですゆえ。


最初の束の大失敗を教訓に、
さらに慎重に巻き取った別の束。

とろきぬ・巻き取り完了

それぞれ2〜3日でなんとか巻き取り終了。
ほんとはそういうペースのはずが。
2ヶ月まるまる費やし中。

撚る前の絹糸が、
どんなにふわふわでトロトロで、
綿あめみたいにデリケートだってことを。

ぎゃふんと言うほど味わい中です。
ぐうう。










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麻のハリを指で知る

手績みの大麻がまだあるので
タテヨコともに麻×麻で織りはじめています。
(あ、タテはもちろん市販の糸です!)

糸密度は、私にしたらめいっぱい細かい
1㌢あたり10本の糸が入るように支度して

さーどうだどうだとやってみたら


麻麻1

向こうがハッキリ見える!
のれんか蚊帳か、とにかく通気性抜群、だあ(°0°)。


麻麻3

こちらはタテ糸に絹をつかったもの。

しなやかで心地よいけれど、
麻糸、節約したいわけじゃないんだから、
もっと主張してくれてもいいぞ、と思ったりして。

そんで糸密度をゆるくして、ゆったりスキマをあけても、
麻糸ってば、ハリゆえに、詰まっていかない。
ほほう。




これが、手績みの大麻かあ。
タテヨコ麻麻、この幽かさ。

麻麻2


アタマではなく、指先で学ぶ、糸仕事。

糠で煮て、叩いて干して、ほぐして裂いて、績んで縒って。
そうしてさいごに、織ってみて。

手で味わってます。
麻という恵み。

機すね糸でオルゴールな布

織り機の織り終まいに残る糸のことを、

”織りすね糸”

というのだそうです。
(『丹波の生活衣 明治・大正・昭和の着物と暮らし』北星社より)

ムダ糸とも呼ばれる部分なのですが、
ムダとはなんとも残念な呼び名。

でもどうしても出てしまうんです。
しかも結構な量で出てしまうのです。

なんとか使えないものかと、
地道にせっせと結んでみました。
結び目だらけのその糸を、ふたたび機にかけました。


するとすると
こんなふうに

機すね糸で・織ってるとこ

結び目ぽちぽち、オルゴールみたいな布が生まれました。

機すね糸で・すね状態

結び目のひっかかりをだましだまし滑らせるので、
動作がいちいち、超ゆっくりになりまして

織りすね糸・できあがり

ものっすごい時間かかりました。
ああ、でも、布になったああ。




織りすね糸・できあがり2

麻でも、絹でも

畑に種まくところから
蚕を育てるところから・・・と
糸が生まれるプロセスを
普通に目にする機会がたくさんあった頃ならば
当然「もったいない」と感じるはずで。

前述『丹波の生活衣』にて、
”機すね糸”の言葉が出てくる所を引用させていただきます↓

この地には「藁(わら)三寸、糸一寸」という諺がありました。
「糸が一寸もあれば、つないで織れば布になるから捨ててはならない」との
先人の言い伝えが息づいていたのでしょう。
機すね糸を結んで織った布が残っています。


これ読んで、つい、やってみちゃいました。
やってみてわかったのは、きっと先人はタテ糸にではなく
ヨコ糸に
使って生かしたに違いないと思いました。
そしたら時間も労力も大幅に短縮されるかと(^^;)。
ふひー、勉強になったなああ(^^;)(^^;)。

織りすね糸・絹も

今回は、大下さんの絹糸の、桃の枝で染めてみた方を、
麻に沿わせて織り込んでみました。
あまりに細〜〜〜くて、
ためしにそれだけでヨコヨコ織ったら、
4時間で10㌢しか進まなかったです。

でもでも、うれしいな。
手績みの麻に、うっすら金色。
大下さんの糸、つかいはじめです。
これからいろいろ試します。


しなやかさと光を添えてくれるシルク。
強さとハリを与えてくれる麻。
「しずり織り」の組み合わせは、
互いに無いものを与え合っていて、なんだか絶妙。



以下、またもや、同胞のみなさまへの、情報シェアです〜↓

織りすね糸・2枚の全体図

前回は約30g、今回は約10gの手績み麻糸を使いました。
二つ折りにして並べています。
大きさの参考に、文庫本置いてみました。

◯タテ糸は前作と同じ、さをり織りの定番絹。

◯長さは同じ210㌢、幅は糸が続く限りというテキトーさで、結局16㌢。

◯糸密度を半分・・・1㌢あたり10から→5本に減らしました。
もうすこし麻糸が見える織りになるかなあ、と期待して。

2度目ゆえタテ糸張りが少しうまくなりまして、
同じ整経長でも織り終わりが長くなり、
19㌢も距離を稼ぐ事ができました。(^^)v

織りすね糸・またでる

そんでもまた出る、織りすね糸。
前後であわせて54㌢。
またつないで、ヨコヨコのオルゴールにしようっと。

織りすね糸・糸密度の違い

糸密度の違いの比較。
左が今回、右が前回の布です。

麻糸の見え方は確かに違います。
でも絹のタテ糸をへらしたところで、
麻の消費量は、今回は、かわりませんでした。
畳ぐらい大きく差をつければ、ヨコ糸はもっと入っていくかもですが。
布の強度を考えると、まあ、これでいいのかなあと。



手織りの布が暮らしの中にふつうにあった、そのころの。
曾祖母の織った絹織物と、並べてみましたよ。

織りすね糸・曾祖母の布と

細い絹のタテ糸をこの密度で張る腕前、
スキマ無く滑らかに繰り返される模様・・・
ご先祖さま、お見事です、あらためてm(_ _)m!








小学生が経糸に挑戦

前回の記事に多くの反響、祝福、
ありがとうございます(^0^)!

すごいすごいと褒めてくださる皆様、
ほんとにありがとうですm(_ _)m、
でも実はですね、
私、もっとすごい先輩に出会いまして、
うきゃー、がんばらねば!と
おおいに背中を押されちゃったのです。


先輩方、御年、10才前後。

小3女子2名。

綿のいとなみ「わわわのわ」にて、先週水曜、直にお会いできました。


去年、九九をやったばかり、とか
比率の計算とかまだ習ってない〜、とかの若さで

10歳の織り・計算2

計算から自分でやったノートですよ(°0°)。

おうちの方に、習ってない算数を先回りして教えてもらって
何時間もかかって、計算したそうです。



家のあちこちに糸をかけて、
それを何周も何周もして、
整経したそうです。


私は整経台でやったので
このようにコンパクトにできましたが↓
10歳の整経・整経台

これ無しで、無ければ無いで、
身の周りのものでなんとかした、ってことですよね(°0°;)。


つくりたいものに合わせて、
必要な布を計算して、
3mを越える大物を織るべく、
絡まるループ糸と格闘すること数日、
あきらめず、根気づよく、整経をやりとげて。


10さいの織り1

織り始めたらスイスイ早くて、
このように、見事完成!

10歳の織り・全行程

私はこの「わわわのわ」で整経を教えていただき、
織り機もお借りして、あの布を織りました。

その学びの夜に、この光景。

若い若〜〜〜い先輩が、その成果を持って来てくれたところに
ちょうど居合わせちゃったのですよ(T_T)

そしたらもー、やるしかないのですよ(T_T)

計算しんどいとか、整経つらいとか、むずかしーとか、
弱音も言い訳も言えないのですよ(T_T)


織りは、整経を機にかけ終わったら、7〜8割済んだといっていいくらいです、と
「わわわのわ」の指南役、るみさんが仰っていましたが

しずりのきもち・経糸3

確かに、そうでした。

経糸さえできちゃってたら、小学生でも、それは楽勝だったと思います。

だけどそこをあえて、全部自分でやったんですね。
やりたいなあという気持ちひとつで、乗り越えちゃったんです。

すごい先輩たちです。
超!リスペクトですm(_ _)m。




そしてね、
綿のいとなみ「わわわのわ」に参加し続けている彼女たちなら

この難しいハードルを越えて
自作の布を手にしても

「織りは、やった(^^)」
「でもその前の段階は、誰かがやってくれている」

ということを
言わずもがな、理解していると思うのです。

だってここでは

10歳の織り・全行程

種から育てて、収穫して、アレしてコレして・・・という全行程が
同時に行われていて、それぞれ好きなとこに参加できて。

自分が何かしている間に、
だれかが別のことをしてくれていて。

そうやって綿が糸になり布になるということを
しっかり見届けているし、
自分もいろいろやっているから。


「衣」の自給は、
自分1人で全部やろうとしてはいけない、ていうか、やれない(^^;)。
みんなで、できることをちょっとずつ提供して、
そんでそのうち形になる、それが「布」。

栽培農家のお兄さん、
紡ぐのが好きなお姉さん、
種取りが楽しい子ども、
織りができる女性たち、
染めの人も居ましたよ、あと、お話するだけの人もいました(^0^)。


ここは単に糸作り教室、織り教室ではないんです、と。
綿を通して人がつながりあう、輪を広げる場所なんです、と。



毎週水曜
14時〜16時@豆の花
(月に一度は、夜20時まで)。

明日、この織り機を返しに行きます。
そして、綿のお手伝いも、ぜひ(^0^)。
10歳の整経・織り機

わわわのわの、わのなかに、入ってしまいました(^^)。
うれしいです。たのしいです。







手績みの糸で手織り布

しずり・完成1

織り上がりました。

できましたよ。
絹×麻の布。


うわああああああい(^0^)(^0^)(^0^)
めでたあああああい(^0^)(^0^)(^0^)





しずり・完成2


以下、同胞への情報シェアです(^0^)/



◯できあがり寸法 → 37×200㎝

◯タテ糸 → さおり織りの定番絹糸、2本弱…170gくらいかと (扱いやすく、心地よかったです)
◯ヨコ糸 → 手績みの麻糸 27g          (77g績んだので、半分以上残りました!)

◯糸密度 → 10/1㎝  

織り機は、さをり織りの、SOARI 60GX かささぎ を お借りしました。      






手績みしてるとついつい、
より細く、より均一に…を目指してしまいますね。
でもね、でもね。

細いタテ糸を捌けるようになるまでは、
必ずしも、それがいいとは、限らないようですよ。

しずり・てきあがり4

今回の場合。

自分の扱える、ほどほどなタテ糸に対して
績んだ糸の細いこと、細いこと!
なんだか埋もれていっちゃうようで、

しずりのきもち・わたわた

このワタワタを時々、もっさもさと入れました。

しずりのきもち・わたわた2


それでようやく、時々、麻の色が見えるという感じ。

しずりのきもち・ノット

そんなわけですから、こういった、
「どうにもならなくなって巨大な結び目をつくっちゃったとこ」
なんてね
どっちかっていうともう、ナイスなボリュームでしたよ。

しずりのきもち・ノット2

織り機でぱたんと押し込んじゃえば、このとおり、ささやかな模様です。


だから。

もっと細く、均一で上等な糸にしたいのに、なあ(;_;)
とか
あー、切れまくりだあ、結び目だらけだあ(;_;)
とか

そこ、がっかりするところじゃなくて

手仕事らしいリズムが生まれた(^0^)

って、喜ぶとこ、だと思った。
うん(^^)。



それから
それから
わかっていたけどあらためて

麻ってカタイ糸だなあと思いました。

しずり・麻と絹

クタクタなめらか、ソーメンみたいな絹糸が
麻と一緒に織られることでパリッとして
ストールとしてはやや固め、
夏の帯ならいい感じ、ぐらいの感触になりました。
…見た目の比率は7:3くらい、麻はだいぶ少なめなんだけど。

だから、そうですねえ、今できる手績みの糸で
肌に触れるものをつくるとしたら、
絹と織るとか、裏地をつけるとかしたほうが
私は気持ちいいかなと、思ったです。


手績み糸、50gも残りました。
この感じだったら、残りで帯が織れそうです。


しずり・シャトルへ

手績みの糸は、何度も指の間を通っていきますね。

績んでいるとき。
糸車にかけるとき。
織り枠に巻き付けるとき。
で、さいごに
シャトル巻き付けるとき、と。

4回も、スルスルと、指の間を走らせますね。

まだその度に、時々ぷつっと切れたりしちゃう不確かな腕前ですが。

しずりのきもち・経糸張り1

市販のタテ糸ときたら、さすがにゆるぎないクオリティーでして。
こーんなふうに、束ねてひっぱって柱にくくって、

しずりのきもち・経糸張り2

さらに細かく強く張って、からまりを櫛で梳いたりもして、
それでも切れない、ほつれない、お見事な完成度です。
すごいですねえ。
昔の人は、当然タテ糸も手績みしてたんだから、
もう気が遠くなるような熟練の技ですねえ。

でも、
でも。
もしかしてそこ、目指さなくていいのかもしれない、と思うんです。

2017年にもなった今、機械ができることは、わーいっておまかせするとして。


われら、ヒトにはヒトのつくれる価値が、あるとおもう(^^)v。


わたしは、そう思う。


「いずれ到達する高度な領域」を目指すのではなく。

「今のままで、できること」は「今しかできないこと」ということで。

目が飛んでたりとか、いろいろ味わい深い布になりましたが。


こどもの絵がそうであるように、
未熟のまま
今そのまんまの手仕事を愛でようと思います。

大切に、使い切ります。

この糸に、布に、手をかしてくださった皆皆様・・・
ありがとうございました(^0^)!














プロフィール

たわらゆうこ

Author:たわらゆうこ
俵裕子(たわらゆうこ)は
造形教室講師、絵本制作、
造形案の提供など
子どもと美術に関する仕事を
いろいろしています。

過去の絵本作品は↓
●『ペタさんはスタンプがすき』
(フレーベル館・キンダーメルヘン11月号)
●『いろ』(フレーベル館・しぜん2月号)など。



18年続けてきたおさひめ幼稚園の造形教室・Art&Craftは
2014年の師走をゴールとし
無事完走させていただきました。

現在は
◯オルタナティブスクール「まあるいがっこう」
◯夜の図工@豆の花
◯小学生のための遊びの寺子屋「どんぐりと山猫」
の3カ所で定期的に
出張図工屋をしています。

その他、「てがきや・ぐるぐるへび」
または、「たきびや・ぐるぐるへび」と称して
イベント出店しています。


このブログではこどもたちとのすてきな出来事、作品、
その他日常のあれこれなどを
徒然に紹介していきたいと思います。

☆ツイッターはじめました☆
yuko521


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