雇われない生き方④・米・麦生産者(仮)

ツイッターでこんな言葉を見つけました。

若い子は、年収200万で平気だ、ネットで稼げば会社いかなくていい、
誰でもノマド(自営)になって稼げるから会社員なんてバカらしいぜ、
困ったらネット乞食をやれ、みたいな本は絶対に信じちゃダメ。
世の中そんなに甘くないよ。
200万じゃ暮らせないよ。
親介護病気、自分病気、どうすんの?


うん、そう、そうなんですよ。
病気こわい、あらゆる”万が一”がこわい、でも。
がんばっても、がんばっても、がんばっても
年収は上がらない。
そういう状況に追い込まれてるのが若年層。てか私(^^)〉”


そんな中、都市での安定収入を手放し
新たな生活を実践されている皆様にお話を伺う
「雇われない生き方」シリーズ。
私自身も未だ拭い去れない「不安定収入の恐怖」から解放されるための
連載であります。(一度も就職したことないくせに、へんなの〜)
取材にご協力いただいてる皆様、この師走の忙しい時期に、ありがとうございます!



今回ご紹介する彦星ファームの大河原勝彦氏&美穂子氏のお二人はもともと新宿のサラリーマン。
会社を辞め、
ひこぼし2
紆余曲折を経て…今、米・麦生産者(仮)。

ひこぼし3
農業やるなんて思ってもみなかった。
環境意識も低かった。
〇〇しよう、というビジョンがあったわけではなく、
ただ「ここにいちゃまずい」という危機感から
次々に行動をおこした結果が、ひとまず今は、米・麦生産者。

写真は、お米を手で「一本植え」しているところです。
今どき手植えで、しかも一本きり植えるなんて人はいないそうです。
その一本がダメになったら、そのスペースは収量ゼロになりますから
保険かけて、数本たばねて植えるのが最近ではあたりまえ。

でも大河原さん達は、一本の命を信じて植えます。
周囲に笑われ、あれこれ口出しされようとも
営業職時代に培ったコミュニケーション能力で
やわらかく乗り切って
ひこぼし4
こんなに逞しく太く、育てました!
百聞は一見にしかず。これにて、
周りの先輩方にも認められたそうです。




サラリーマン時代の勝彦氏、
ラッシュでごった返すおびただしいスーツの群衆の中で、
ふと考えます。

”このすごい人数のほとんどは、ただパソコン叩いたりとかして
なんにも作ってないのに、こんなに集まって忙しく動き回って・・・なにしてるんだろう。
なんなんだ、これは。”


この言葉は、経済学者・安富歩氏の言ってることと全く同じです。
狂ってる、って気づいちゃった。
気づいたら、ひとつ何かが外れて、次々に何かがはずれて・・・

まず、会社を辞めた。

そしたら、都市に住む理由がなくなった。
家賃も安くて環境も良い、韮崎に物件探しに行った。
きたその日に、もう「ここに住む」って決めた。

バイトしながら、次の何かを探して、他の地方や海外にも足を運んだ。
模索すること2年。農には未だ辿り着かず。



そんなある日、近所のおばあさんが体調を崩し、農作業が辛くなったというので
夫婦で手伝うことになったそうです。

そこはふつうの農法で農薬も化学肥料も大量に使われていて
「こんなに使うんだあ」と驚きながらも、言われるままにやっていて。

ある日余った除草剤を、その家のお爺さんが畑の隅にじゃーっと流しました。
近くに大事に育てていたズッキーニがあったので、「やだな」と思って
その毒々しい色の薬が流れてこないように足でごしごし、流れを止めたりしてたんですが
おじいさんは「大丈夫、大丈夫」と笑っています。

ところが、ズッキーニは枯れます。
奇形の実を残して。
その無惨な姿にスイッチが入ったご夫婦、
”なまじ理系なだけに(笑)”と薬についてよくよく調べまくり、
いろいろ勉強して、自分たちなりにベストと思われる農法を模索します。


ところでなぜ野菜じゃなくて、米・麦なのか。

”調べたら、野菜はよいものを作ってる人がけっこういるけど、
米と麦はあまりいなかったので、その穴をうめたいと思って”


で、やってみたら自分たちに向いていた。
何より、米が自給できる安心感っていいですよ!とのこと。

”機会があればワークショップなどやって、作り方をお見せしたいんです。
1回やれば、ああこんな感じか、ってわかりますよ”


おお〜それはありがたい・・・(°0°)、でもふつう、教えちゃうと、
競合相手が増えるなあ、とか、買ってくれる人が減るなあって思うような・・・

”売り上げをのばさなきゃ、と思ったらそうなりますよね、ライバルは邪魔になる。
お金がないと生きていけない!ていうかつての自分ならそうなりますが、それって幻想(笑)。

それぞれが最低限の自給をして生きていくことは可能だと思うんです。
あとは音楽やったり絵を描いたり、好きなことして暮らす。
みんなそうすればいいのに、と思う。だからノウハウを教えるのに抵抗がありません。”



一緒にワクワクで聞いていた我が夫、米作りを教えて頂けるときいて、さらにワクワク度急上昇
「なんか、男って、遺伝子レベルで米作りに惹かれますよね
「”田”に”力”って書いて、”男”なんですよ、男はハマリますよ〜〜」と
勝彦さんと盛り上がってます。なになに、そうなの!?



ところで米・麦を新規に始める人が少ないのは、理由があると思います。
田んぼは水の関係から、周りの農家さんたちとのコミュニケーションが不可欠。
農地だって、余ってるようで、誰でもいきなり借りられるわけではありません。
地主さんがある程度相手を見極めて、安心してからじゃないと。

自分たちのやりたい農法をこの中で実践するには、かなりの人間力が問われます。
ぐいぐい口出ししてくるありがた迷惑な(失礼!)ご近所さんとも、
対立せず、でも譲りすぎず、仲良くつきあうバランス感覚。
教わるべきことはありがたく教えていただき、
考え方の違いがあっても、
決して正論をぶつけて相手をへし折らない。
かわす、かわす、かわす、そしてそのうち、田んぼが答えをだしてくれる。
うん、ナウシカですね。
気づけば周囲のみんなが味方。

営業で鍛えてるサラリーマンのみなさん、
今磨いてるその人間力は、
好きな場所で好きな事を始めるための
一番の切り札かもしれません!


お二人の模索の旅は、まだ進行中。
”また何か見つけて始めるかもしれない”
とのことですが、でも、米・麦生産はずっと続けるそうです。
とにかく米があるって安心だから、と(^^)。


お二人の話をうかがいながら、
三宅洋平氏のTokyo Timesという曲の詩を思い出しました。

”なりたいものがあったんじゃない。なりたくないものがあっただけなんだ”

心の声を素直にきいて、次の一歩を模索する。
”見る前に飛ぶ”タイプの、ダイナミックなお話なんですが
こうして向き合って聞いていると、あくまでもほっこりおだやかなお二人
ひこぼしさんたち
肩の力がぬけていて、親しみやすく、ほっとします・・・

次の春からいよいよ、バイトも辞めて専業へ。
彦星ファーム
一粒の種がこーんなになるんです!という「感動」をもって育てられた
しあわせなお米たち、まだここで買えます。
小麦はもう完売です(すごい!)。
実はあんまり教えたくないけど(笑)、ご縁のある人に、この幸せなお米と麦が、届きますように!







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プロフィール

たわらゆうこ

Author:たわらゆうこ
俵裕子(たわらゆうこ)は
造形教室講師、絵本制作、
造形案の提供など
子どもと美術に関する仕事を
いろいろしています。

過去の絵本作品は↓
●『ペタさんはスタンプがすき』
(フレーベル館・キンダーメルヘン11月号)
●『いろ』(フレーベル館・しぜん2月号)など。



18年続けてきたおさひめ幼稚園の造形教室・Art&Craftは
2014年の師走をゴールとし
無事完走させていただきました。

現在は
◯オルタナティブスクール「まあるいがっこう」
◯夜の図工@豆の花
◯小学生のための遊びの寺子屋「どんぐりと山猫」
の3カ所で定期的に
出張図工屋をしています。

その他、「てがきや・ぐるぐるへび」
または、「たきびや・ぐるぐるへび」と称して
イベント出店しています。


このブログではこどもたちとのすてきな出来事、作品、
その他日常のあれこれなどを
徒然に紹介していきたいと思います。

☆ツイッターはじめました☆
yuko521


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