むかしばなし『きのこのおばけ』

次の小学生クラスでは「おはなしの絵」を描きます。
ひとつのおはなしをモチーフに、絵本作家になったつもりで、
気に入った一場面を絵にしてもらいます。

以前は「ふくろう染め屋」に挑戦しました。
今度はこちら、「きのこのおばけ」。
本で見た昔話を、僭越ながら少々アレンジ。
 

にぎやかで、楽しい絵が、たくさん生まれる気がします。
みんなの描くきのこがみたい




きのこのおばけ

昔、鎮守の森のお宮の裏に、夜な夜なお化けがでてきて、
歌を歌ったり、踊ったりして、大騒ぎをするようになりました。
その音に村人はたいそうおびえて、夜もろくに眠れません。

そこで、村のひょうきんな若者が
 「どれ、おれが行って見てこよう」
と、ある晩、一人で森へ出かけていきました。

すると確かに、お宮の裏で、真っ赤な火の玉を囲みながら
小人がおおぜい騒いでいます。
手を打って、歌を歌って、ヨイコラサッサと踊っています。
ひょうきんな若者は、歌や踊りが好きだったので
自分もヨイコラサッサと踊りながら、輪の中へ入って行きました。

若者は、小人のひとりにききました。
 「おまえたち、いったい何のばけものだ」
小人は答えて言いました。
 「おれたち、きのこのばけものだ。
  おまえ、何のばけものだ?」
若者が
 「おれは、人間のばけものさ」
と答えたところ、キノコのばけものが、かさねてこうたずねます。
 「おまえ、それで、なにが一番きらいだ」
若者は
 「おれは、もちが、一番きらいだ」と答えておいて、
 「して、おまえはなにがきらいか。」
とききかえしました。
 「おれは、なすの塩水が一番おっかない。」
と小人が答えて言いました。

しばらく踊っているうちに、ばけものたちが
 「そうらそうら、ぶっつけるぞ、ぶつけるぞ」
と、てんでにもちを投げつけてきたので、若者はわざと
 「おおこわい、やれこわい」と驚いたふりをして
とスタコラ逃げ帰っていきました。

そうしておいて、大急ぎでなすの塩水をたくさん作ると、
それをかついで森へ戻りました。そして
 「そうらそうら、ぶっつけるぞ、ぶつけるぞ」
と小人めがけてひしゃくでどんどんぶっかけました。

ばけものどもは、ちりぢりになって、どこかへ消えて行きました。

翌朝、森へ行ってみますと、
そのへんの木の株にはえていたきのこが
すっかりしおれておりました。

若者は、投げられた餅をどっさり拾って村へと帰り、
その晩からはみんな静かに眠れるようになりました。

おしまい
参考資料・日本むかしばなし集・三・(新潮文庫/坪田譲治作)


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プロフィール

たわらゆうこ

Author:たわらゆうこ
俵裕子(たわらゆうこ)は
造形教室講師、絵本制作、
造形案の提供など
子どもと美術に関する仕事を
いろいろしています。

過去の絵本作品は↓
●『ペタさんはスタンプがすき』
(フレーベル館・キンダーメルヘン11月号)
●『いろ』(フレーベル館・しぜん2月号)など。



18年続けてきたおさひめ幼稚園の造形教室・Art&Craftは
2014年の師走をゴールとし
無事完走させていただきました。

現在は
◯オルタナティブスクール「まあるいがっこう」
◯夜の図工@豆の花
◯小学生のための遊びの寺子屋「どんぐりと山猫」
の3カ所で定期的に
出張図工屋をしています。

その他、「てがきや・ぐるぐるへび」
または、「たきびや・ぐるぐるへび」と称して
イベント出店しています。


このブログではこどもたちとのすてきな出来事、作品、
その他日常のあれこれなどを
徒然に紹介していきたいと思います。

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yuko521


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