3.11で目覚めたおとなに。絵本・『茶色の朝』


茶色の朝茶色の朝
(2003/12)
フランク パヴロフ、ヴィンセント ギャロ 他

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小さな絵本です。
5分で読めます。
しかしこの本、幼児向けではありません。

3・11以降、目覚めたおとなに、特におすすめです。

とある国で、変な法律ができます。
茶色の犬しか飼っちゃダメ、猫も茶色じゃなくちゃダメ、
それ以外は処分しなくてはいけない…というので
主人公と友人は飼ってた犬・猫を安楽死させます。

なんだかスッキリしないなあ、と思いながらも
「犬だって15年も生きればいずれその時はくる」
「茶色だけを残すのがいい、という意見にも一理ある」
「あまり感傷的になってもしかたないし」と
抵抗することなく、状況に自分を合わせようとします。

茶色の法律はエスカレートしていきます。
なんでも茶色にしておかないと、
まるで悪い事をしているかのような空気に包まれていきます。

”うっとおしかった。
しかし、ビストロの客たちは
いままでどおり自分の生活を続けていた。
きっと心配性の俺がばかなんだ。”


茶色の猫を飼いなおし、友人も茶色の犬を飼いなおします。
みんなと同じでひと安心。
茶色に守られた安心、それも悪くない。
そう思った矢先、事は急変します。

前に茶色じゃない犬猫を飼っていた場合も、逮捕されることになったのです。


いよいよ破滅の朝がくるまで、主人公は様々ないいわけをしながら
流れに身をまかせていました。
実際にそのときが来てもなお、こんなふうに思うのです。

”結局、俺の猫は俺のものだったんだ。
いやだというべきだったんだ。
抵抗すべきだったんだ。
でも、どうやって?
政府の動きはすばやかったし、
俺には仕事があるし、
毎日やらなきゃならないこまごまとしたことも多い。
他の人たちだって、
ごたごたはごめんだから、
おとなしくしているんじゃないか?”





この本はフランスで出版され、多くの人に読まれて
政治の動きを大きく変えるきっかけをつくりました。
それは約10年前のことです。

ここに書かれた危機は、今、ここ日本でも、人ごとではありません。

未来を茶色にしないために。
いやなものはいやだと、
思うだけでなく、声にしよう、行動しよう、と
この本を読むと、強く思います。


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プロフィール

たわらゆうこ

Author:たわらゆうこ
俵裕子(たわらゆうこ)は
造形教室講師、絵本制作、
造形案の提供など
子どもと美術に関する仕事を
いろいろしています。

過去の絵本作品は↓
●『ペタさんはスタンプがすき』
(フレーベル館・キンダーメルヘン11月号)
●『いろ』(フレーベル館・しぜん2月号)など。



18年続けてきたおさひめ幼稚園の造形教室・Art&Craftは
2014年の師走をゴールとし
無事完走させていただきました。

現在は
◯オルタナティブスクール「まあるいがっこう」
◯夜の図工@豆の花
◯小学生のための遊びの寺子屋「どんぐりと山猫」
の3カ所で定期的に
出張図工屋をしています。

その他、「てがきや・ぐるぐるへび」
または、「たきびや・ぐるぐるへび」と称して
イベント出店しています。


このブログではこどもたちとのすてきな出来事、作品、
その他日常のあれこれなどを
徒然に紹介していきたいと思います。

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yuko521


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